本日ご紹介いたします作品は、笠井誠一先生作「紫陽花」油彩15号です。
笠井先生は、フランス留学中に絵画の構築的な表現を学んで依頼、ストーブ、果実、ボトル、楽器などの身近なモチーフの組み合わせによる室内画や卓上静物画に長年取り組んできました。シンプルで明確な輪郭線、単純化されたフォルム、温かな中間色を基調にした色彩により、画面の平面性を意識しつつ緊密な絵画空間を一貫して追求してきた笠井先生の作品は、簡素で洗練された独特な詞的世界を展開しています。この「紫陽花」は、笠井先生の静物画ならではの美しいバランスと色合いで、成熟した画家の簡潔な作風を示しています。
2001年 静かなる物に詩宿る 笠井誠一展図録より抜粋
略歴
1932年 北海道札幌市に生まれる。
1957年 東京藝術大学卒業(伊藤廉教室)。
1959年 同大学油画専攻科修了。フランス政府給費留学生として渡仏。国立パリ美術学校入学、モーリス・ブリアンション教室に学ぶ。
1966年 帰国。
1967年 愛知県立芸術大学講師となり愛知県長久手に移住。
1968年 名古屋画廊第1回個展(以後合計20回)。
1972年 八王子にアトリエと住居を新築。
1974年 愛知県立芸術大学教授となる。
1985年 第37回立軌会に同人として参加。
1990年 名古屋市芸術特賞受賞。
1996年 ポメリー中部文化賞受賞。
1997年 愛知県立芸術大学退官記念「笠井誠一展」。
2001年 第24回安田火災東郷青児美術館大賞受賞・記念展。
その他 個展、グループ展多数。現在、立軌会同人、愛知県立芸術大学名誉教授。
美術品類商 富山県公安委員会許可 第501150000770号